仕事場と自宅の往復で終わりの人もいる
郵便局とか銀行とか住所を書面に書いて提出するような場合には、受け取った職員たちは住所だけ見ると裁判所の官舎の人だなと分かることもあるそうです。具体的な不利益までは受けていないものの、知らないうちに身分がばれているのはおもしろくありません。東京のように大きなところではそんなことを考えていないかもしれませんが、中程度の街になるとあるんですね。
別にだからどうというわけではないですが、いちいち裁判官の名刺を配って歩いているわけではないのですが、結果として似たような状況になっているのです。それと分かってもその本人にわかったよと言うとは限りませんので、なんとなく知られているという場合もかなりあるだろうと思います。
役所で仕事をして家に帰って私生活を営む人となり、睡眠をとるというのは自然のこと。官舎からその他に出かけない。官舎に帰って判決ばかり書いているという人もいます。そうすると、仕事場と自宅の往復で終わりということになってしまいます。何が楽しくてああいう人生を送っているのかと他の人は思うかもしれませんが、俺はきっちり仕事をやっているんだという満足感があるのかもしれないし、あまりこれといって趣味がなくて、いわば仕事が趣味みたいだという人もいるのかなと思います。
「庁用車に乗ってください」をむげに断れない
裁判所の車(もちろん裁判所職員の運転する)で出勤したり帰ってきたりという裁判官もいます。おおむね判事になってから乗れるようになります。あまり乗りたくないときでも乗ってくれといわれることがあります。
庁用車があるということは担当の運転手もいるわけで、乗ってくれないと仕事がなくなるというので、せっかく庁用車の運転手も確保しているんだから乗ってくださいといわれるとむげにも断れないと乗ったのはいいが、どこか寄りたいなと思っても思うようにはいかないということもありました。もっとも、今日は庁用車に乗りませんといえば、それでいいんですけれども、タイミングがうまくいくとは限らず、ちょっとどうしようかなと思ったこともありました。