「このクレーンのギャラはいくらですか」
例えば、ニュースステーションの名物コーナーに「桜中継」があった。全国各地の桜を様々な演出でテレビ鑑賞するコーナーなのだが、上空からの映像を撮影するために40メートルクレーンが持ち込まれた。当時は、ドローンがなかったので、それしか方法がなかったのだ。私は、「このクレーンのギャラはいくらですか」とディレクターに尋ねた。ギャラは100万円だった。なぜ、その金額が記憶に残っているのかというと、当時の私のギャラが3万円だったからだ。クレーンのほうが、コメンテータより30倍も高いんだと思ったのだ。もちろん、いまから振り返ると、私のギャラが法外に安かったのだ。いわゆる文化人価格というものだ。
「フジテレビの内定を取ったら生涯年収8億円確定」
もう一つ、事例を挙げると、ある日、突然、夜から福島でロケがあるから、来てくれないかという連絡がディレクターからきた。当日、私は新潟で講演の仕事をしていた。新潟と福島は東北地域同士で近いように感じるかもしれないが、片や上越新幹線、片や東北新幹線で、直通の新幹線がない。大宮まで戻って、乗り換えないといけないのだ。時刻表を調べると、残念ながら福島への終電が間に合わないことが分かった。そのことをディレクターに告げると、「新幹線がないなら、タクシーで来てくれ」と言われた。私は磐越自動車道をタクシーで走り続けて、ロケに間に合った。ただ、とてつもないタクシー代がかかったことは、間違いない。
そうしたテレビ局の持つ潤沢な資金は、当然のこととして、テレビ局の局員の処遇にも反映される。バブル期には「フジテレビの内定を取ったら生涯年収8億円確定」と言われた。一般サラリーマンの3倍だ。そうした高処遇は、テレビ業界が冬の時代に入って、現在は少しずつ修正されつつあるが、テレビ局の局員が、いまでもかなりの高処遇を受けていることは事実だ。統計があるわけではないので、正確ではないのだが、私が数人の40歳台後半のテレビ局社員に年収を聞いたら、1500万円程度という答えだった。世間の給与水準を大きく上回っているのだ。
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