価格の安い公営霊園。
価格は高いが、設備充実の民営霊園

墓地にはさまざまな形態があるが、大きくは「公営霊園」「民営霊園」「寺院墓地」「共同体墓地」の4つに分けられる。ここでは「公営霊園」「民営霊園」について取り上げて、それぞれの特徴や違いを述べておきたい(図参照)。

公営霊園は都道府県や市町村が管理・運営する墓地で、全国に500カ所以上ある。代表例をあげれば、都営の青山霊園や多磨霊園などがある。

その特徴はいくつかあげられる。例えば、墓地は自治体が(指定管理者を含む)運営管理しているので、トラブルはほとんどなく、信頼性が高いことだ。また、宗教・宗派を問わないので、誰でも購入できる(民営も同様である)ので、あれこれ悩むこともない。

ただし、墓地取得に際しては応募による抽選となる。その自治体に居住している、すでに遺骨があるなど、いくつかの条件があり、1区画の面積も決まっているので注意したい。また、購入後に墓石を立てる際には(墓石設置済み墓地を除く)、自分の好きな石材店を選べる点で自由度は高いものの、墓石の大きさなどに制限が設けられている場合が多い。

価格は自治体によって異なるが、永代使用料、管理費ともに民営に比べて安い(永代使用料で数十万円~/管理費は年換算で数千円~)。とはいえ、都営の青山霊園のように、周辺の地価が高いために、1区画が最高1000万円近いものもある。

また、東京都の場合、墓地の需要に供給が追いついていないといった事情がある。特に市街地に近い霊園ほど購入希望者が多く、競争率は他の霊園に比べて高くなっている。

公営霊園と民営霊園のメリット・デメリット