常時募集しているので、いつでも購入できるし、公営とは違って、購入に際しての条件もほとんどない。法要施設や駐車場などの各種設備も充実しており、区画の広さや墓石の大きさ、デザインも自由に選べる。 半面、永代使用料や管理費は相対的に高くなる。場所によってさまざまだが、大都市部ならば、1区画で数百万円の価格となる。また、霊園の経営者が石材店とタイアップしていたり、石材店が実質的に墓地を運営している場合もある。このため墓石をつくる際は、指定された石材店以外を選ぶことはできないといった制約がある。
民営の場合は、注意しなければならない点もある。
霊園によっては管理が不十分だったり、まれに経営破綻してしまうこともあるからだ。最終的に遺骨を撤去されてしまうということは考えにくいが、霊園選びの際には、事業主体の経営面にも気を配りたい。
また、公営、民営にかかわらず、郊外に霊園があることがほとんどだ。墓が遠いことを敬遠する人が多いことから、近年では、市街地の建物内に墓を設けるビル型墓地も増えており、購入希望者も多いようだ。
霊園が発行するパンフレットなどによく目を通し、施設見学も行って、自分や家族が納得し、安心できる墓地を購入する。これが何よりも大切だ。
民営は、公益法人や檀家用の境内墓地以外に宗教法人が経営する墓地(事業型墓地)がある。後者は名義だけは宗教法人で、実質的には石材店など民間会社が運営しているところが多い。
(構成=亀井洋志)