“背乗り”したロシア人スパイ

人の心を手玉にとるような手法ばかりを使うわけではない。ゾッとする事件のひとつが、「黒羽・ウドヴィン事件」である。

これは、スパイが正体を隠すために実在する他人の身分・戸籍を乗っ取り、偽装して活動する“背乗り”という手法がとられた事件である。

事件のあらましはこうだ。1995年、アメリカのCIAから、黒羽一郎を名乗るロシアのスパイが、日本国内でアメリカの軍事情報、日本の産業情報を収集している、という極秘情報がもたらされる。