モタモタしていると東芝の“二の舞”に
そうした取り組みが進み成長期待が高まれば、キオクシアが中・長期的に生み出すフリーキャッシュフローは増え株価は上昇するだろう。東芝、ベインにとってもキオクシア株の売却を行いやすくなるはずだ。加速度的に事業環境が変化する中、成長の実現のため経営陣の果断な意思決定の重要性は高まる。
逆に、環境変化に合った迅速な意思決定ができないと、SKハイニックスがキオクシア株を取得するなど、同社を取り巻く利害関係者がさらに複雑化することも考えられる。東芝再建の難航の一因だったモノ言う株主が、キオクシアのAI向けの新しいメモリーチップの開発、量産体制、他社との連携などに介入し、成長戦略の実行が難しくなる恐れもある。
キオクシア経営陣が、次世代のフラッシュメモリーの研究開発に取り組み、それを実用化し収益の増加、株価上昇を実現できるか、今後大いに期待したいものだ。