人から感謝されることで自己肯定感が高まる

③自己肯定感、自己効力感が高まる

感謝と自己肯定感は、深く関わっています。感謝の度合いが高い人ほど、自己肯定感が高い傾向にあります。

感謝日記を書くには、自分自身と向き合うことが不可欠です。結果として、自己洞察力が高まり、自分の行動や性格に、ポジティブなものを発見することで、自己肯定感が高まります。

また、自分が感謝するだけではなく、人から感謝される体験によって「自分は価値がある存在である」と認識しやすくなります。

さらに、感謝の表現が「自己効力感」を高めることが示されています。自己効力感とは、「自分ならできる」「自分なら乗り越えられる」と、「自分の能力や可能性を信頼できる力」のことです。自己効力感が低いと、「失敗したらどうしよう」という怖れが強まり、新しいことに挑戦できません。

「ありがとう」と言われる。人から感謝の表現を受けることで、自己効力感が向上し、それがさらに「行動しよう」という気持ちを高めるのです。「自分にはできる!」「今の自分で大丈夫だ!」という感覚が、あなたに前向きな行動を促し、人生を幸せに導くのです。

ビーチや島の背景に夕日の空に手を上げる女性
写真=iStock.com/Tonktiti
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人と人を結び付ける

④人間関係が深まる

感謝の表現は、新しい人間関係の形成を促進します。

感謝を表現することで、受け手が相手に対して「温かさ」や「思いやり」を感じることを助け、初対面の相手との関係形成を促進し、社会的結びつきを強化します。

「ありがとうと言われた人」や、「感謝されていると感じた人」は、自分に感謝している人との関係を深める行動もとりやすくなります。もっと親しくなりたい、と思うのです。

感謝の気持ちは親子関係や家族の幸福を向上させます。親が子供に感謝の気持ちを示すだけで、家族関係が改善し、親の幸福度が上昇した研究があります。

また、恋愛関係における感謝の気持ちは、「関係の維持」と「互いに支え合う関係性」を促進し、より交流が増え、献身的なパートナーシップにつながります。

感謝によって、他者を助け寛容で慈悲深くなる、孤立感や孤独感の軽減、外向性の向上など、人間関係やコミュニケーションを促進する、さまざまな効果が報告されています。