これだけは覚えておきたいことをしっかり記憶するにはどうしたいいのか。記憶力日本チャンピオンかつ、世界記憶力選手権で3つの難条件をクリアした者だけに与えられる世界記憶力グランドマスターの青木健さんは「家の中と外で、記憶するのにうってつけの場所がある」という――。

※本稿は、青木健『東大式記憶力超大全』(総合法令出版)の一部を再編集したものです。

パスワードの覚え方

現代はネットショッピングやWi-Fiなど、覚える必要があるパスワードがたくさんあります。特に最近は数字だけではなく、アルファベットの大文字と小文字を組み合わせたものや、○文字以上などの条件がある複雑なパスワードを求められることが増えています。

理想はすべてのパスワードを正確に覚えていることですが、記憶の達人でないと非常に困難です。銀行の暗証番号やスマホのID、よく利用するサイトのパスワードなど、「本当に重要なもの」を5種類ほどに絞って一気に記憶するようにしましょう。使用するサービスにもよりますが、他人に推測されにくい安全なパスワードに設定することをおすすめします。

しかし、他人に推測されにくいということは、自分でも覚えにくいということ。そこで効果的な方法が、「数字記憶法」と「アルファベット記憶法」です。

例えば「Pc38Nxj7」という8文字の銀行のログインパスワードを覚えるとします。

まず知っている単語に置き換えられないかを見ます。Pcは「パソコン」を意味するので、それを覚えます。残りはストーリーを作って記憶していきます。

【図表1】0〜9の数字のイメージ
出典=『東大式記憶力超大全』(総合法令出版)

「自分のよく行く銀行ATMで、大きなパソコンが複数台ある(Pc)を開くと、サヤエンドウ(38)から巨大な看護師(N)が出てきて、たくさんのクリスマスツリー(x)を立てた。クリスマスツリーにたくさんのジェット機(j)と七面鳥(7)の飾りとしてぶら下げた」というイメージで記憶するといいでしょう。

重要なパスワードは使用頻度が高い場合が多いので、一度頑張って覚えたら、何度か使用するうちに自然に覚えるはずです。

パソコンや机の周りにパスワードを貼っている人を見かけますが、非常に危険です。重要度の低いパスワードは、パソコンやスマホが自動で入力する機能などを活用しながら、安全に利用しましょう。

POINT 数字とアルファベットを覚えやすいものに置き換えると記憶できる