勉強の記憶効率が良いのは「手書き」か「タイピング」か?

昔はノートに板書を写したり、メモをするということが一般的でしたが、近年では小中学校でタブレットが導入されたり、大学生や社会人はパソコンを持ち込んで授業や会議に参加したりしています。

2024年に発表された、ノルウェー科学技術大学で大学生を対象に行われた実験で、画面に出てきた文字をデジタルペンで手書きする場合とキーボード入力する場合、どちらが脳が活性化するかを調査しました。

その結果、デジタルペンで手書きをしたときのほうが、記憶に関わる脳の部位やそれらを接続する部位が活性化していることがわかりました。デジタルペンではなく、紙にペンで書く場合でもほとんど同じ効果があると結論づけています。

青木健『東大式記憶力超大全』(総合法令出版)
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また広島大学の研究チームによると、朗読の書き取りを、ノートにペンで書く場合とタブレットにデジタルペンで書く場合では、タブレットに書くほうが書いた文字の確認や認識に注意が取られるため、紙に書くよりもストレスがかかることがわかりました。

今後タブレットやデジタルペンの機能が改善されたら、アナログで書く場合との差はより縮まると考えられます。

これらの結果から、社内の議事録や業務中のちょっとしたメモなど、覚える必要のない内容は、早く正確に入力できるタイピングで行ってよいでしょう。

反対に漢字の読み書き、英単語のスペル、専門用語の暗記などには、できる限り手書きで、さらに紙とペンを使うのがおすすめです。特に漢字は部首の種類や点の数、文字の形など、英単語の場合は文字数や接頭語や接尾語などの細かいスペルを意識しながら書くことになるので、キーボード入力と手書きでその差は大きくなると考えられます。

POINT しっかり覚えたい勉強は紙とペンを使って手書きで行う
勉強をする子供
写真=iStock.com/Satoshi-K
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