あえて不便なガラケーを渡すという選択

私は、長女ヘミンが中学を卒業するまで携帯電話を買ってあげなかった。わが家では高校入学まで携帯は使わないというルールがあったからだ。そんなヘミンが持っていた唯一の電子機器は、学校のイベントの景品でもらったMP3プレイヤーだった。

次女のヘウンも、姉と同じ道筋を辿った。しかし、末っ子のヘソンは違った。当時はすでに世の中が大きく変わっており、誰もがスマホを使っていて、携帯会社の競争が激しくなっていた。回線契約をするだけでも、家族全員が無料でスマホをもらえたのだ。

だから仕方なく中学のときに買ってあげることになったが、当時はもう珍しくなったガラケーだった。携帯ショップの店員たちは、ガラケーを探す私を見て呆れていた。無料で手に入るスマホを拒み、注文しないと手に入らない時代遅れの製品を、お金を払ってまでなぜ欲しがるのか、不思議そうな顔をしていた。