丼ものや煮物は要注意

博子さんの食生活は、1回の食事に小鉢が多く登場し、その分塩分が多くなってしまうので注意が必要です。

大崎博子・大崎夕湖著『幸せな最期を迎えた91歳ひとり暮らしの食卓』(宝島社)
大崎博子・大崎夕湖著『幸せな最期を迎えた91歳ひとり暮らしの食卓』(宝島社)

とはいえ、味をつけずに食べられる野菜はトマトぐらいですよね。そこで活用したいのが、減塩調味料です。以前は減塩のものはおいしくないというイメージがあったようですが、最近ではさまざまなメーカーが減塩タイプを販売し、ケチャップやドレッシング、めんつゆにも減塩タイプがあります。

博子さんも生野菜によくマヨネーズを使っていたり、ぬか漬けがしょっぱい時は塩を抜いて野菜炒めにしたりと工夫していたようです。

また、調理では、丼ものや煮物は塩分が多くなってしまうので気をつけましょう。毎日続けて食べるのをやめるだけでも変わります。

筑前煮
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味噌汁
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博子さんのように、品数の多い夕食には、味噌汁をつけないなど、全体のバランスをみて調整することも大切です。

減塩は、なるべく早いうちから始めるのをおすすめしています。すでに高くなった血圧を減塩だけで下げるのは難しいからです。最初は薄味に慣れないかもしれませんが、慣れると野菜の味や素材の味でおいしいと感じるようになっていきます。

定期的な「歯科検診」で糖尿病のリスクを下げる

博子さんの食卓に並ぶメニューからわかるように、91歳でこれだけの食材を食べられるお口を維持できたのは、日々の歯磨きや定期的な歯科検診を怠らなかったからではないでしょうか。

高齢になると、肉などの硬い食材を食べなくなる人がいます。硬いから嫌だと避けるのではなく、それを食べるための口をどう維持するかが介護予防では大切です。

うどん
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お粥
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また、噛めないからといって、やわらかく煮たうどんやおかゆなど、やわらかい食事ばかり摂ると、結果として栄養状態が悪くなったり、糖質過多になることで、糖尿病のリスクが高まる恐れがあります。

高齢者の悩みに多い便秘は、食欲の低下にもつながりますので、水分や食物繊維を積極的に摂るとよいでしょう。

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