ダメージがなければ肝臓が勝手に回復する

また、引き算するべき対象は、甘い飲み物以外にもいろいろあります。アルコールを減らしたり、いつも食べているごはんやお菓子の量を減らしたり、いつも何気なく買っていた超加工食品を買い物カゴに入れないようにしたりするのもいいでしょう。それに、毎日いろんな種類の薬をたくさん服用している人は、その薬を必要最低限の数量に絞ることも肝臓の負担を減らすことにつながります。

尾形哲『甘い飲み物が肝臓を殺す』(幻冬舎新書)
尾形哲『甘い飲み物が肝臓を殺す』(幻冬舎新書)

とにかく、「肝臓のために何か始めなきゃ」と思い立ったなら、足し算ではなく引き算の発想で「その何か」をスタートするようにしてください。

先にも述べましたが、肝臓にたまったダメージは、「肝臓に悪いもの」を減らすと自動的に軽減します。肝臓には驚異的な再生回復力が備わっているので、自分の中から悪いものが引かれてダメージが薄れると、どんどん勝手に回復への道を進んでいくようになるのです。

ですから、みなさんも、こうした「引き算ナビゲート」で肝臓の自己回復力を引き出すようにしてください。ぜひ、悪いものを減らすことで、肝臓を回復のレールに乗せてしまうようにしましょう。

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