一流アスリートが実践する「セルフブラック」

そんな中で、近ごろよく耳にするようになったキーワードの1つが「セルフブラック」です。「ブラック企業」のように他人から一方的に強制される過酷な労働とは異なり、個人が自主的に自分に負荷をかけ、自己の限界を押し広げるために行う努力のことです。

ブラック企業が淘汰されようとしている現代において、仕事で高い成果を出したり、高い目標を達成したりするためには、自分で自分を鍛える「セルフブラック」的な価値観が必要不可欠となりました。

圧倒的な結果を出す一流アスリートは、試合で最高のパフォーマンスを発揮するために日常的に自己鍛錬を積んでおり、「セルフブラック」はもはや当たり前です。

以前、テレビで大谷翔平選手のオフシーズンの1日が紹介され、SNSで話題になりました。1日の半分を睡眠にあて、残りの12時間のうち半分以上は筋力トレーニングなどの練習。さらに食事などの時間を除いた時間も、体のメンテナンスや1日の反省など野球に関する「やるべきこと」に費やしているそうです。さらに食事や睡眠もストイックを極めています。

大谷選手に関するインタビューや記事などを拝見していると、野球選手としての「本番」である試合の数時間だけでなく、その他の時間も含めて1日の時間のほとんどを野球のために使っているのだと分かります。

学生時代、自主練をした人は多いはず

このように、一流アスリートを例にとると「彼らと私は違う」「スポーツ選手と一緒にしないでほしい」という反応もあります。しかし一般のビジネスパーソンであったとしても、本質は同じです。

大谷選手が毎日努力を積み重ねるように、ビジネスパーソンも高い成果をあげる人は「成長のための習慣」としてセルフブラックを取り入れています。

休みの日まで仕事のことを考えたくない、家に帰ったらゆっくりしたいという人も、一度、学生時代のことを思い返してみてください。特に部活をやっていた人は、家に帰ってから「自主練」をしていた人も多いのではないでしょうか。

試合で良い結果を出すために、練習を頑張るのはもちろん、チーム練習以外にもルーティンを設定したり、弱点を克服する方法を考えたり、と努力をしていた人がたくさんいるはずです。