「世間の価値観」に振り回されてはいけない
一方、「そのうちなんとかなるだろう」とのんきに気長に構える人は、はっきり言ってあまりできる人のイメージはありません。のんびりゆったりしています。
あなたがどちらのタイプかはわかりませんが、大事なのは、自分のペースを守ることです。スピード感のなさが自分の弱点だと自覚しているのなら、それの克服に努めるのもいいかもしれませんが、世間の価値観に惑わされて、無理にスピード感を出そうとするのはいかがなものでしょうか。
また、もともとスピード感が備わった人でも、「ちょっと疲れたな」とか「イライラが溜まってきたな」と感じるようなら、スピード感にこだわる必要はありません。
世間の価値観からは逃げるに限ります。
とくに最近、「なんだか追い立てられるように暮らしているなあ。以前はもっとゆったり暮らしていたのに……」と感じるようになった人は、もうちょっと気長に生きてみませんか。
日本人はもっと「逃げる」を活用したほうがいい
日本人には、夫婦関係や人間関係でも、逃げずにじっと我慢という傾向が見られます。
欧米人は愛情が冷めたら素早く離婚してしまいますが、日本では我慢するのがふつうのことですから、離婚というのは「よほどのこと」として選択肢から外されます。
総務省統計局「世界の統計2018」によると、日本人の離婚率は1000人当たり1.7組で、世界で10番目。トップのロシアの4.7組、2番目に高いアメリカの2.5組を下回っています。
人間関係に悩んでいる人の8割くらいは、その人間関係から逃げられないと考えていますから、職場や学校、友人やママ友まで、多くの人が「我慢」を選択しているのです。
「我慢する」という考え方は、ある意味では日本人の「美徳」と見ることもできますが、ストレス対策という面で考えると、必ずしも最良の選択とはいえません。
日本人が「逃げる」と考えるのは最後に自殺するときだけ……というのでは、最悪の逃げ方しかできないことになります。
これではあまりにも悲しすぎます。もっともっと「逃げること」を活用したいところです。