患者数が多い年代は、男性が50代、女性が40代

実際、40歳以降は、うつ病にかかる人が増加します。厚生労働省の調査によると、うつ病患者がもっとも多い年代は男性が50代、女性が40代です。

40代以降のうつ病は、ホルモンバランスが変わってくることが大きく関係しています。自身の性ホルモンの分泌量が低下することで、自律神経のバランスが乱れやすくなるからです。実際、うつ病があると更年期障害の自覚症状が悪化するともいわれています。

しかもこの年代は、仕事でも家庭でも環境が変わってきます。

人間関係に疲れ果てていても、成果主義や実力主義なので精神的に追い込まれるまで頑張ってしまう人もいるでしょうし、家に帰れば帰ったで、子供が受験や就職で苦労していたり、親の介護が必要だったりする人もいるでしょう。

心が強ければうつにならない、というわけではありません。

心身が大きく変化する時期に、そんな社会的・環境的な要因が加わると、人間は案外簡単にうつ病にかかってしまいます。うつ病は決して治らない病気ではありませんが、かかってしまうとやはりつらい。

悪化すると治りにくくなるので、悩みがあるときは抱え込まずに、家族なり友人なり、誰かに愚痴をこぼすことです。

つらいときは無理をせずに休み、医者やカウンセラーに相談することも覚えてほしいと思います。

それがうつからうまく逃げる第一歩となります。

医師から問診を受ける男性
写真=iStock.com/Chinnapong
※写真はイメージです

「デキる人はスピード感がある」の真偽

近頃、よく耳にする言葉に「スピード感」があります。

組織はもちろん、業務の流れや実行にまず求められるのが「スピード感」です。すばやい判断と対応がなければ、世の中の変化や要求に応えることができないからでしょう。

そのせいなのでしょうか、世の中では早いのがいいこと、遅いのはよくないことというイメージが定着しつつあります。それが一人ひとりの人間に当てはめられると、どうなるのでしょうか。

「できる人にはスピード感がある」
「できない人にはスピード感がない」

そんなイメージはないでしょうか。

こうしたイメージを持ってしまうと、今度は万事に早めの準備や実行、あるいは計画や達成が大事なような気がしてくるかもしれません。

たとえば、自分の夢や願望を実現させたいといったときでも、「そのうちに」とか「いつか」ではなく、「1年後」とか「明日から準備にかかろう」と決心するようになりがちです。

「そのうちいつかでは、結局、何もしないまま時間が過ぎていく。本気で実現をめざすのなら、早め早めのスケジュールにしないといけない」

そう考える人がスピード感のある人です。

でも、できる人はそうでなければいけないのでしょうか。だからなのか、どこかピリピリしています。