永田町に出回った「高市早苗幹事長説」

一時は「自民党ナンバー2」後任として名前があがった高市早苗氏
一時は「自民党ナンバー2」後任として名前があがった高市早苗氏(写真=内閣府/CC-BY-4.0/Wikimedia Commons

もともと、今回の選挙では、裏金問題の逆風による自民党の大敗が予想されていただけに、幹事長交代説は選挙期間中から永田町に出回っていた。

永田町関係者は「一時は総裁選で石破氏と接戦を繰り広げた高市早苗氏を幹事長にする案もあがっていた。高市氏を自民党ナンバー2にすれば、石破首相になって離反してしまった保守層を引き戻せるだけでなく、不満を抱えた保守系議員が高市氏を中心にまとまって『石破降ろし』を進めるのを防ぐことができるという狙いもあった」という。

しかし、選挙結果は自民党が過半数を割るだけでなく、公明を足しても過半数に届かないという予想以上の大敗となり、泥船で壊滅寸前の石破政権を支えるのは高市氏にとってもメリットよりもデメリットが大きい状態に。

「森山氏の交渉力」に頼らざるをえない

また、一部野党の賛成を得なければ法案も予算案も衆議院で通すことができなくなったため、森山氏の力に頼らざるをえなくなってしまった。

森山氏はこれまで国対委員長として国会運営における野党との交渉役を長く担ってきた経験があり、自民党内だけでなく野党重鎮ともパイプがある「党人派」として知られている。

その交渉力がなければ、これから迎える荒波の国会を乗り切ることができないと石破首相も考えており、選挙結果の責任論よりも、森山氏の続投起用が優先されたと言えるだろう。

そんな、石破・森山体制で迎える国会はどうなっていくのか。