巨大企業の実際の税負担とは?

これは法律で定められている税率である「法定総合税率」29.74%(2018年度)の6割弱(58.7ポイント)に過ぎないのです。

とくに巨大なグローバル企業の負担率は低く、一方で中堅企業や中小企業は、法定税率に近い税負担を課されています。この点は後述します。

冒頭でも述べたように、必要以上に重い税負担を企業へ課すと国際競争力が失われ、結果的に日本の国力を削ぐことになることは承知しています。

しかし税収が減ったツケをまわされるのは、巨大企業ではなく市井の人々なのです。いま財政赤字が1000兆を超え、その改善を口実に、子どもから年金生活者まで負担を求める消費税が増税されようとしています。

その消費税を主な財源にして、法人税の減税が進められてきたのですから、日本経済の基盤である巨大企業が、実際にはどの程度の税を負担しているのか、それを踏まえた議論をする必要があるのではないでしょうか。

そこでこの後、個別企業の実際の税負担を検証するミクロ的な分析と、統計数値を利用して企業全体を観察するマクロ的な分析を通じて、日本の法人税負担に関する実相を明らかにするとともに、法人税制の真の問題点を示していきたいと思います。

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