「頭のいい子」を育てるにはどうすればいいのか。中学受験専門塾・伸学会代表の菊池洋匡さんは「受験勉強レベルであれば、遺伝的に恵まれている必要はない。普段の生活の中で、その能力を使う機会があるかどうかで大きな差がついてくる」という――。

※本稿は、菊池洋匡、こしいみほ『マンガで即わかる!学力があと伸びする子の親が大切にしていること』(実務教育出版)の一部を再編集したものです。

数字のブロックで遊ぶ子供
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子どもが低年齢のうちに育てたい能力

算数と言えば、中学受験では最も差がつく科目です。高校受験でも大学受験でも、数学は差がつきやすいので、得意になるように育ててあげたいですよね。

では、算数・数学を得意にするには、どうすればいいのでしょうか?

その方法が、「空間認識力」を育てることです。

算数・数学が得意になるかどうかは持って生まれた才能次第……多くの人がそう思っています。確かに、才能がものを言う世界はあります。

しかし、それは本当にトップレベルの世界においてのこと。受験勉強レベルで「得意」になるためには、遺伝的に恵まれている必要はありません。

スポーツの世界に置き換えて考えてみましょう。オリンピックやプロスポーツで活躍できるのはごくひと握りです。多くの子どもたちが、オリンピックやプロを目指して本気で努力をしています。そのレベルでは、「本気で努力をする」のは全員共通の最低条件ですから、遺伝的な才能があるかどうかで結果に差がつきます。

受験勉強レベルの得意・不得意は「遺伝以前の問題」

では、体育が得意になるために遺伝的な才能は不可欠でしょうか?

子どもたちの中には、運動系の習い事をしている子としていない子がいます。日常的に外で身体を動かして遊ぶのが好きな子と、家の中でゲームをしたりして遊ぶのが好きな子がいます。遺伝以前に、そこで基本的な運動能力の差ができています。

同じように勉強でも、数学オリンピックでメダルを取れるかどうかというレベルであれば、遺伝的な才能も必要かもしれません。しかし、受験勉強レベルで得意か不得意かといった差は、遺伝以前の問題です。普段の生活の中で、その能力を使う機会があるかどうかで差がつきます。

運動系の習い事や外遊びで運動神経を育てるように、知育系の習い事や遊び、運動等を通じて、お子さんの「空間認識力」、すなわち算数のセンスを鍛えてあげてください。