夫との離婚が成立

離婚する場合、養育費の他に、将来の子どもの学費を夫婦の収入に応じて負担することになります。夫はこの点にも激しく抵抗しましたが、結局は受け入れることになりました。

夫は生活費を出してこなかっただけあって、しっかり貯金をしていたので、結婚中に増えた貯金を財産分与で分けてもらうことができました。

こうしてA子さんと夫の離婚が成立しました。

増えている「教育費を払わない夫」

A子さんのような相談は近年増えています。

共通点は、お金がないわけではないのに夫が子どもの費用を一切出してくれない、特に教育関係のお金を出さないという点です。

夫たちの本心を聞く機会がないので、その裏にどういう心理があるかは私にもわかりません。

夫婦の収入に応じて負担するというわけではなく、夫が全く払わないので、妻や妻の両親が負担するようになるという特徴があります。

また、夫自身がきちんと塾に通って大学を出ているケースも少なくないので、単に「教育の必要性がわからないから払いたくない」というわけではないようです。

理由として考えられるのは、結婚して家族を作ることと家族を養うこと、そして子どもの人生のためにお金をかけるということが、結びついていないのかもしれません。

自分が払うお金と妻が払うお金に、独自の線引きをしていることも特徴で、「自分は男だから家賃やローンや水道光熱費を払う。それ以外の金は女が出すものだ」と言っている夫もいました。自分は住む家の費用を払い、それ以外の食費や日用品は妻が何とかするものだ、というのです。

子どもがいない時であればまだしも、子どもが生まれて成長してもこのルールを続けると、妻の出費の方が多くなっていきます。それでも頑なにルールを変えず、子どもにお金を出さない、塾や学費という大きな金額でも絶対に出さないという夫が一定数いるのです。

共働きの夫婦だけでなく、妻が専業主婦になった家庭でも、「塾は必要ないから払わない。塾に通わせたいなら自分で払え」と言われて、妻がパートを始めたというケースもありました。