「共用部に住民の私物が置いてある」物件は注意

続いて、中古マンションの共用部でチェックすべきポイントを紹介しましょう。

セキュリティ面を重視しているなら、コンシェルジュが常駐しているマンションだと、エントランスに常に人の目があるということで、一定の安心感は得られます。

オートロックや防犯カメラの有無もチェック。タワマンのなかには、メインエントランスに一つ目のロックがあり、さらに進んで2つ目、3つ目のロックがあるという多重ロック仕様になっているところもあります。

ただセキュリティの厳しさゆえに、かえって不便になっているケース(ウーバーイーツなどの宅配を頼みにくい、など)も見られるため、自分がどの程度のセキュリティレベルを求めるか、改めて考える必要があります。

共用施設は実際に見に行きましょう。有効に活用されていない施設、維持費がかかりそうな施設がある場合、ムダなランニングコストを負担することになりかねません。

エントランスや廊下を歩いてみて、掃除が行き届いているかどうかも確認を。まれに、共用部に住民の私物が放置されていることがありますが、この場合、管理組合が身勝手なモンスター住民を制御できていない可能性も考えられます。

ゴミ置き場、駐輪場、ポスト、掲示板の張り紙も

ゴミ置き場や駐輪場の状態も、見るべき箇所の一つ。どことなく荒れていてルールが守られていない雰囲気のときは、やはり管理が行き届いていない可能性があるでしょう。掲示板があったら、どんな張り紙がしてあるか確認を。騒音トラブルへの警告などがあったら、警戒したほうがいいかもしれません。

そのほか、郵便物がたくさん刺さっているポストが多い場合は、空き家が多いと予想されます。空き家が多いということは何らかの理由で不人気になっている証拠ですし、マンションの維持管理に必要な資金(住民が負担する管理費や修繕積立金)が積み上がっていないことも懸念されるので、その時点で購入は再考したほうがよさそうです。

チラシがいっぱいの金属製の郵便受け箱
写真=iStock.com/germi_p
※写真はイメージです

加えて、専有部分の内見の際にでもベランダの上裏をチェックしてみましょう。上裏とは、上階のベランダの裏側のこと。マンション外壁やベランダのコンクリートのなかには鉄筋が入っていますが、コンクリートの表面にひびが入ると、なかに水が入って鉄筋が腐食します。

すると、表面に茶色や褐色の腐食生成物(錆び汁)が出てくるように。この錆び汁が見られやすいのが上裏です。これを放置すると、腐食した鉄筋が膨張し、内側からコンクリートを押し出す「爆裂」という現象が起きてしまいます。