人が誰かに嫌われる原因は相手の「地雷を踏む」から

また、嫌われたくないと思うことで、人づき合いが窮屈きゅうくつになることもあります。

「今度の集まりで行きたいお店を提案したら、図々しいと思われるかしら」

「あのお礼の電話は、もっと早くかけたほうがよかったかな」こんなふうに、四六時中、相手に気を遣う人がいます。

こめかみを押さえて悩むビジネスマン
写真=iStock.com/Andrii Iemelyanenko
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しかし、人が誰かに嫌われるとしたら、それはたいていの場合、相手に気を遣っていないからではなく、相手の「地雷を踏む」、つまり、相手が気にしていることをうっかり口にしてしまうなど、「言ってはいけないこと」を言うからです。

多少、気を遣わなかった程度の「どうでもいいこと」で、人が人を嫌うことはまずありません。地雷さえ踏まなければ嫌われることはない。そう思えば、もっと人とフランクにつき合えるのではないでしょうか。

また、気を遣いがちな人ほど、上下関係に敏感な人が多いという印象があります。

自分より上か、少なくとも同格と思う相手には過剰なほど気を遣う一方で、自分より下と見なす相手には、無意識のうちに尊大な態度をとっていて、それが嫌われる要因になっている可能性もあります。

みんなに好かれようと思うと、人づき合いはしんどくなります。

嫌われても問題のない相手はいくらでもいます。一方で、この人にだけは嫌われてはいけないという相手もいます。

あなたにとって、本当に大事な相手にさえ嫌われなければ、人に嫌われることを怖れる必要はないのです。

本当に大事な人間関係とは、肉親や夫婦とは限らない

では、あなたにとって本当に大事な相手とは、誰でしょうか。

親子やきょうだい、夫婦など、近しい関係の相手が一番大事、と考える人は多いと思いますが、それは思い込みの可能性があります。そして、その思い込みによって、不自由になっていることが少なくありません。

たとえば、子どもが一番大事だと思っていると、子どもに嫌われたくないからと、自分のやりたいことを我慢してしまうことがあります。こんな例を考えてみてください。

夫に先立たれてさびしい思いをしている女性が、行きつけのお店で知り合った男性と仲よくなり、再婚を考えるようになったとします。

この女性に財産がある場合、その子どもたちは、ほぼ間違いなく相手の男性が財産目当てだと考えて、再婚に反対するでしょう。そこで本人はたいてい、再婚をあきらめてしまいます。

しかし、たとえ財産目当てであったとしても、日本の法律上、その女性が最期を迎えるまで伴侶としてい続けなければ、相手の男性は遺産を手にすることができません。

一方で、再婚に反対した子どもがその後、母親を手厚くケアしてくれるとも限りません。

だとすれば、子どもに嫌われることを怖れるより、自分を幸せにしてくれそうな人、一緒にいて心地がいい相手とつき合うことを選ぶほうがいいと言えるのではないでしょうか。

本当に大事な人間関係とは、肉親や夫婦とは限りません。