議会の不備を指摘した「2つの理由」

それでも私が迷わずSNSで投稿し、その後もひるむことなく議会の不備を指摘しているのには2つの理由があります。

1つ目は、議会の場で居眠りをしている議員がいること、ちゃんと仕事をするべきだということを市民に対して知らしめるべきだと思ったからです。

議員のみなさんは、まっとうな大人で市民の代表です。しかし、中にはこれまで議員としての不足を指摘されることなく、甘やかされて長く続けてきた人、そもそも仕事をする意識が低い人もいます。

私が「説明責任を果たしていない」と指摘しても、まったく悪気なく「なんで自分が説明しなくてはいけないの?」と言う人も。そういう人が私の説得で態度を改めるかというと、そう簡単には変わらないだろうなと思うのが本音です。

ただ、たとえ議員が変わらなくても、それを見ている市民がいます。自分たちの代表として選んだ人が、議会で居眠りをしているのです。

安芸高田市役所。石丸市長が議会で「恥を知れ!」と発言したことで全国的な話題になった
安芸高田市役所。石丸市長が議会で「恥を知れ!」と発言したことで全国的な話題になった(写真=アラツク/CC-BY-SA-4.0,3.0,2.5,2.0,1.0/Wikimedia Commons

「議会なんてこんなもの」と慣れてはいけない

私の発言の狙いは、市民に「こういう状態になっている」と気づいてもらうこと、そして「なぜ?」「この人はちゃんと仕事をしているの?」と問題意識を持ってもらうことでした。

議会なんてこんなものだと慣れてしまっていては、永遠に変わらないのです。これはたとえ話ですが、有名な天道説から地動説への大転換は「世代交代」によって成されたという捉え方があります。つまり、天道説を主張していた人たちは、考えを改めることはなかった。それでも世代が変わり、新しい世代の研究者によってはじめて「やっぱり地動説って正しいよね」と認められたということです。

だから、たとえ今いる人たちが変わらなくても「やっぱりこれはおかしい」「これが正しい」と言い続けることには意味があります。市長も議員も、市民が選ぶのです。職務を果たしていない人を選び続けるかどうかは、市民が決めることができます。大事なのは、その市民の意識改革のほうです。