世耕氏は4日夜、離党届を提出し、受理された。記者団には「当時、参院清風会(参院安倍派)会長であった私が、政治的責任を取るべきであると考え、今回は弁明書を提出することもせず、決定に従って離党することを決断した」と述べたが、安倍派以外からは同情的な声はほとんど聞こえてこない。

世耕氏に関しては、関西テレビが5日、処分決定前に和歌山県内の自治体の首長に電話で「無所属で衆院の方に出る」と伝え、次期衆院選で和歌山2区に鞍替え出馬する意思を示したと報じたが、世耕事務所は「全く事実無根」とのコメントを出している。

「政治改革の取り組みをご覧いただく」

首相は4日の党紀委後、記者団に対し、自らを処分の対象外にしたことについて「私自身は個人として不記載がなく、宏池会(岸田派)の不記載は事務疎漏によるものだ」と弁明するとともに、自らの政治責任については「政治改革に向けた取り組みをご覧いただいたうえで、最終的には国民、党員に判断してもらう立場にある」と述べ、最終的には解散・総選挙で国民に、総裁選で党員の審判を仰ぐ考えを明らかにした。

永田町に緊張感が走った。立憲民主党の安住淳国会対策委員長が6日、宮崎市内で記者団に「国民に判断してもらうと言ったんだから、解散・総選挙で信を問うてもらうしかない」と応じ、日本維新の会の馬場伸幸代表も同日、長崎市内の会合で「首相に意思表示するには選挙しかない」と述べるなど、「6月解散説」が取りざたされてきている。

だが、首相が解散の前提とする政治改革は、政治資金の透明性や議員の罰則強化を図る政治資金規正法改正をめぐる与野党調整が容易ではなく、近く設置される衆参両院の政治改革特別員会での議論は見通せない。

国民の判断をまず問う衆院3補選は、自民党の0勝3敗となれば、「岸田降ろし」が始まりかねない。自民党は長崎3区で不戦敗を選択し、島根1区でも擁立した元財務官僚の苦戦が伝えられている。東京15区は独自候補をあきらめ、小池百合子都知事が擁立する乙武洋匡氏(ファーストの会副代表)に相乗り推薦せざるを得ないが、過去の女性問題に対して党内に抵抗があるほか、公明党も自主投票に回る方向で、「1勝」をカウントできるかどうか、危うくなっている。

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