金の無心ばかりする母が苦手だった
私の母は、自分の生活を、自分でやりくりしようという考えがほんとうにない人だった。
職を転々とし、なんの仕事をしているのかもよくわからなかった。
恋人ができても、その人のお金をむしりとるようなことばかりやっていた。
私が19歳のとき、母には同棲していた恋人がいて、家賃や光熱費・水道代も払ってもらっていた。欲しい服やバッグ、アクセサリーがあれば母はその人にねだっていたし、さらにその人は、母に月々5万円の生活費を渡してくれていた。それなのに母は、「あの人は私に5万円しかくれないのよ」と文句を言っていて、いったい、どう生きてきたらそういう考えになるのか、理解に苦しんだ。
母は、親きょうだい、そして、恋人や友人などから次々にお金を借りた。人の同情を引いたり、言いくるめたりするのはうまかった。
そういう母の性質に、物心ついたときに私は気づいていたのだと思う。
母みたいな生き方が情けなくて嫌だった。
ひろゆきに「これ買って」とねだるのは苦手
嫌だと思いながらも、次から次に変わる母の恋人には、私はお行儀よく接するしかなかった。その人たちが、母に金銭を渡していて、それが私の習い事や欲しいものの費用に充てられていることもなんとなく知っていたから。
いつも思っていた。早く、この人をもらってください。そしたら、母は幸せになれるのにと。
そういう母と暮らしていたから、経済的に人に依存することが怖いことだと私はずっと思って生きてきたのだと思う。
自分が欲しいものをひろゆき君に「買ってくれ」とお願いするのは、いまでも少し苦手だったりする。
ひろゆき君は、配信でこんなことを言っていた。
「もし僕が死んだら、僕の彼女というか、妻というか、細君が、財産を全部持っていくんでしょうね」
私は、そんなことになったら困るなあと心底から思っている。自分のお金なんだから、自分の好きなように使ってほしいし、かりに私に使ってくれるとしても、私が勝手に使うんじゃなくて、あくまでひろゆき君の意思で使ってほしい。要は、私より長生きすればいいんだと思う。なにより、いくらお金が残ったって、死んじゃったらさみしいでしょ。
それにひろゆき君にどれだけ財産があるのかまったく知らないけれど、大金を受け取ったとしても私は、うまく管理できない自信がある。たぶん、どっかの銀行に預けっぱなしにして終わりだろう。
でも、なんだかんだ妄想しても女性のほうが平均寿命の長い昨今、このボンクラな私に財産を相続させることがひろゆき君の望みなら、そのときは仕方がないと腹を括ろう。その道のプロ集団を雇って、しっかり相続してやろう。もちろん、児童養護施設にパソコンを寄付するプロジェクトも引き継ごうじゃないか。