お笑いコンビ「ラランド」のニシダさんは、『ハリー・ポッター』シリーズの大ファンで、自らを「原作厨」と称している。どこに魅力があるのか。原作の魅力と映画との違いについて聞いた――。(後編/全2回)

「週刊少年ジャンプ」的な王道ストーリー要素

前編から続く)

――なぜ、『ハリー・ポッター』シリーズはこれほどまでに愛され続けているのでしょうか?

【ニシダ】ハリー・ポッターは、ひょっとしたらあるかもと思えるような魔法世界を描いています。ちょうどいいファンタジーと言えばいいでしょうか。

例えば『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのように今の世界とは完全に分離した異世界ファンタジーという話ではないし、『スパイダーマン』シリーズのように、なぜ蜘蛛男になったのかをSF的に説明している話でもない。

ただ自分がいる世界のちょっと脇道に行ったら展開されている、そんな身近さを感じられるファンタジーなんです。

学園モノとして主人公たちの成長を描く青春ストーリーという側面と、仲間と協力して巨悪を打ち倒す王道バトルがあるのも人気の理由でしょう。日本人が好きな『週刊少年ジャンプ』的な王道ストーリーですよね。

そういうキャッチーな要素がありながら、細かい世界の設定がものすごく深く設定されているし、一人ひとりのキャラクターは人間臭くて存在感があります。

だから、フィクションとわかっていても身近な出来事のように感じられる。だから読者・視聴者は自分ごとに感じ、魔法世界にのめり込めむのでしょう。

原作厨とはいえ映画は面白い

――映画の良さはどんなところでしょうか?

【ニシダ】原作厨とはいえ、映画はすべて見ています。やはり世界的に大ヒットしたのは映画の功績が大きいと思います。

みんなが頭の中に思い描くハリー・ポッターはダニエル・ラドクリフだろうし、ハーマイオニーはエマ・ワトソンです。それだけ強烈な画の力をあの映画は持っていたと思います。

ハリーが魔法学校に通う道具を買い集めたダイアゴン横丁やホグワーツ魔法魔術学校など、原作の世界観は忠実に再現されていたと思います。

特に、魔法の映像表現などは本当にかっこいい。ダンブルドアとヴォルデモートが戦うところで、ガラスが飛び散るシーンがあるのですが、僕の脳内で思い描いていたシーンをはるかに超えてきました。

お笑いコンビ「ラランド」のニシダさん
撮影=プレジデントオンライン編集部