「晴海フラッグ」は売れ行き好調

東京五輪選手村の跡地で分譲されている大規模マンション「晴海フラッグ」が好調な売れ行きとなっている。好調の要因は賃貸を含めて4000戸以上にもなる一大タウンで、都心に近い、オリンピックレガシーがある、などといわれているが、一番の理由は分譲価格が周辺相場に比べて2割から3割程度安いことだ。これに目を付けたのが不動産業者だ。

競争率は一部住戸で200倍になったなどと喧伝されたが、これには裏の理由がある。2023年6月に行われた高層棟の分譲から申し込み名義1者あたり申込可能な住戸を2戸までに制限をかけた。実はそれまでの分譲では不動産業者が5戸、10戸とまとめて申し込む事例が後を絶たなかったのだ。規制が始まったのは周辺相場に比べて大幅に安い住戸を仕入れて転売することを目的にした業者買いの横行が目に余るようになったからなのだ。

本来の役割を見失ってしまった中堅以下のマンション専業デベロッパーたちをしり目に中古マンションの活況は今後も続くだろう。新築はぜいたく品として富裕層や投資家が買い求め、一般国民は中古マンションを買う構図が当分続くことになるのだ。

中古マンションをじっくり吟味して…

でも心配はあまりしなくていいかもしれない。これからは首都圏を中心に大量の相続が発生する。少子化ニッポンでは相続人の数も減り、都内とて実家に住まない相続人が、親が残した中古マンションを大量にマーケットに賃貸や売却で放出することが目に見えているからだ。供給予備軍が多数存在しているのがこれからの中古マンションマーケットだ。

一般国民は豊富に出そろう中古マンションをじっくり吟味して、お安く買い求める時代は実はすぐそこまできている。これからの世の中では一般国民は三井だ、三菱だ、住友だといったデベロッパーの名前を知らなくてもよくなるということだ。彼らは富裕層や投資家向けの新築超高額マンションを提供するだけの存在になるからだ。いっぽうで一般国民にとっては、リーズナブルな中古マンションがよりどりみどりで目の前に登場してくる。中堅以下のデベロッパーにとってのいばらの道が続くのである。

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