問い質しても、うーんと首をひねったままま。通過症候群による感情障害が続いているようだ。利用明細を確認するしかないが、ずいぶん前に紙からネットに切り替えており、しかもIDとパスワードは忘れている。再びカード会社に電話して、再設定の方法などを教えてもらったのだが、その際にオペレーターから言われたのは、

「ご利用の履歴を見させていただいたところ、不正利用の可能性があります」

ということだった。デリヘルでカード情報を抜かれたりしたのか、と思いつつ、なんとか利用明細を自分のiPadで見られるようにしたところ、63万円の内訳はGoogle Play Storeで5,000円、10,000円という決済を繰り返した結果であることがわかった。スマホゲームに課金しているのだろうか? だがゲームにハマったなんて聞いたことはない。

父親のスマホを見てみると…

ちょっと貸してみろ、とスマホを取り上げて画面をスワイプすると(パスワードや指紋認証のロックはかけていない)、「熟女との出会い」「ロマンス倶楽部」といった名前のアプリが5つも6つも並んでいるではないか。

試しに1つのアプリを開いてみると、どう考えても実在するとは思えない「40代女性」からの「旦那がかまってくれなくて……」みたいなメッセージが並んでいる。父親は、それに対して「今は病院に軟禁されているけど、退院したら●●ちゃんの××をナメナメしたいよ~」(情けなさすぎるので伏せ字とさせていただく)などとご丁寧に返信しているのだ。

「プロフィール」のページには、自撮りしたらしい正面からの顔写真に、本名が容易に推測できるニックネームが登録されている。ネットリテラシーゼロ……。

こういう出会い系では、メッセージのやり取りに有料のポイントが必要なはず。女性もほとんどすべて「サクラ」で、思わせぶりなメッセージを送ることでポイントを消費させる仕組みだ。不正利用でなくてよかったのか悪かったのか。

酷すぎる言い草

「こんなの全部ウソだよ。女の人に会えたことある?」

「ないけど、立ち上げると近所に住んでる人からたくさんメッセージが来るんだ」

「そんなの、スマホの位置情報を利用して、自動的に機械がやっているんだよ。そんなこともわからないの?」