高級タワーマンションに住む人々の生活の悲哀を描き、SNSで話題を呼んだ「タワマン文学」。誰しもが羨むような学歴や職業、生活を手にしていながらも、自分の人生にどこか虚無を抱えている人々を描いている。そんな世界は本当にあるのか? 都心のタワマン居住者に、真相のほどを聞いた。11月24日(金)発売の「プレジデント」(2023年12月15日号)の特集「『新NISA』儲かる人、大損する人」より、記事の一部をお届けします――。
タワマン文学を本気で信じるのは残念
「タワマンで子育てをするようになって気づいたことがある。住んでいる階数、部屋の値段、夫の職業、年収、子供の成績――。この建物では、付き合いがある人たちの間でありとあらゆる情報が筒抜けとなり、比較の対象となるのだ。誰も表立って口には出さないが、誰が上で、誰が下かという序列は明確にある」
これは、タワマン文学『息が詰まるようなこの場所で』(KADOKAWA)にある一節だ。「タワマン」とは、一般的には20階以上、高さが60メートルを超える超高層マンションを指す。そこでは、一つの建物の中に“階級”があり、それを物差しに見上げられたり、見下ろされたりする……、おそらく多くの人にとっては非現実的な話だろう。だが、この作者は、実際にタワマンに住んでいる医者の知人に取材して得た情報をつなぎ合わせて書いた側面もあると言う。
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