株式投資が難しければ「MSCIオール・カントリー」でもOK

【エミン】ETFは昔、コストが高かったけれど、いまは低いからいいですね。全世界の株式を対象とした指数「MSCIオール・カントリー」に連動するETFで世界に投資するのもいいし。選択肢が広がっているから、新しいNISAの成長投資枠で必ずしも個別銘柄に投資する必要はないですね。

【パックン】身近な企業に投資する方法以外にも、日ごろは関係のない欧州の企業やマーケットなどに投資する方法もありますね。日本にリスクが集中しないようにバランスをとる意味で。

【エミン】ありますね。米国の企業であれば、日本に来ていますしね。ちなみに今日の私の靴はスケッチャーズですけど上場会社です。

【パックン】私もスケッチャーズです(笑)。

【エミン】ものすごく履き心地がいいので、株式も買っています。

【パックン】株式と一緒に靴を買うんですか。

【エミン】そう(笑)。同じようにABCマートの株式も昔は買っていましたね。

【パックン】すごいですね。

日本への投資はリスクの集中にもつながる。パックンさんは「バランスをとる意味で欧州の企業やマーケットへの投資もいい」という。
撮影=市来朋久
日本への投資はリスクの集中にもつながる。パックンさんは「バランスをとる意味で欧州の企業やマーケットへの投資もいい」という。

価格変動に一喜一憂しないために10年後を目指して投資すべき

【エミン】私が日本に来たときに「ここは安い」とABCマートを紹介されました。当時は上野のアメ横にあるスニーカー屋さんでした。そのとき5000円の靴を買ったのですが、後で上場したのを知って、株式を買ったことがあります。あとはメガネのJINS(ジンズホールディングス)、テープのニチバン。自分が使っていて、「これはいいな」というものを買っています。

【パックン】そうなんだ。私はインデックスファンドでマーケット全体に投資するのが中心です。おそらく資産の8割を占めていると思う。個別銘柄に投資するのは面倒だから。

いずれにしても長く持つのがいいと思います。短期で考えてしまうと、買った翌日に価格を確認して5%下がっていたら、売ってしまう人もいます。すると翌日には7%上がったりします。結果的に2日間で7%損したことになってしまう。

そうならないためには、いま買ったら「10年後にどうなっているのかを確認しよう」というくらい、余裕を持つことが大事だと思う。毎日チェックして一喜一憂しないスタンスがいいですよね。

【エミン】それは正しいと思う。