つまずきポイント1:「まわり」がわからない
●例題:図で、色のついた部分のまわりの長さを求めましょう。(5年生)
●よくある間違い
「まわり」という言葉から「外周」のみに目がいってしまう。
●答え
5×2×3.14+2.5×2×3.14=47.1 47.1cm
●解説
この問題では、「まわりの長さ」には内周(2.5×2×3.14)も含むのですが、「まわり」という言葉からどうしても外周のみに目がいってしまい、5×2×3.14=31.4(cm)と答えてしまうのです。右図のように、半円やおうぎ形の外周を求める問題でも、弧の部分(円の丸い部分)だけを求めて、直線部分の長さを足し忘れる間違いがよく起こります。
●オマケ
「たて5m、よこ10mの長方形の池があります。この池のまわりの長さは何mですか」4年生ぐらいでも、このような問題に困る子がいます。こんな簡単な問題のどこがわからないの? と大人は不思議に思いますが、問題文の「まわり」という言葉に引っかかって先に進めなくなるのです。たしかに、生活用語で「池のまわり」といったら図のように「池の周辺(の面積)」をイメージしますね。図形で使うときは、「ヘリ=その形の外側の縁の線で表す部分」を指すことを説明してあげてください。「おなかのまわり」「頭のまわり」など、子供がイメージしやすい体の部分を取り上げて説明すると「ピッタリくっついた外回り=まわり」と理解できます。
つまずきポイント2:「点をとる」がわからない
●例題:点A、B、Cがあります。4つ目の点をとって、平行四辺形をかきましょう。(4年生)
●よくある間違い
点A、B、Cをなくしてしまうと勘違いする。
●答え
点A、B、Cを結んだ三角形が平行四辺形の半分になるように、4つ目の点をとり、直線でつなぎます。点は3つとることができ、3つの平行四辺形ができます。
●解説
「4つ目の点をどこに置いたらいいのか」に悩んでいると思いきや、それ以前に「点をとるって何?」と立ち止まってしまう子供がいるのです。子供にとって「とる」は「取り去る」「手に持つ」「手でつかむ」こと。漢字で言うと「取る」のイメージですが、図形用語としての「とる」は多くの中から選んで決める「採る」のこと。「点をとる」=「点を決める」と言い換えてあげるといいでしょう。
●オマケ
6年生で学ぶ「線対称」「点対称」でも、対応する点(頂点)をとって作図をします。用語に違和感を持たないように、早い段階で確認しておくといいですね。