「広くて大きい帰り道」を調べておく

マラソンや登山などが趣味で、日ごろから長距離を移動することに慣れている人は、「20km以上でも余裕だよ!」と思うかもしれません。ですが、震災後は路面状況の悪化、橋の崩壊、崖崩れなどが想定され、迂回うかい路で迷子になる可能性もあります。体力に自信がある人でも、20kmという距離を一つの目安にした方がいいでしょう。

いずれにしても、グーグルマップなどで一度、自宅と職場、自宅と学校など、日ごろの通勤・通学経路の距離を検索してみることおすすめします。

その際の注意ですが、GPSの出す最短経路には細い道が含まれていることがあります。細い道は、塀や家屋が崩れ落ちていたりして、通れなくなる可能性があります。また、都市部では、人が殺到して群衆事故を起こすことも想定されます。そうした事態を防ぐためにも、できるかぎり、広くて大きい道を通るようなルートを選定してください。

歩き続けるためには靴擦れを回避する

徒歩帰宅に必要な事前準備の物品についてお伝えしましょう。

オフィスにスニーカーと替えの靴下を準備しよう

「なんとか徒歩で帰宅できそうだな……」と考えている人は、オフィスにスニーカーと替えの靴下を準備しておきましょう。理由は、靴擦れを防ぐためです。歩行中に靴擦れができるとマメができ、マメが破けてしまうと激痛で歩行困難になります。

スニーカーを履く人の足元
写真=iStock.com/Edy waluyo Nugroho
※写真はイメージです

私も自衛隊時代にマメが潰れた経験がありますが、一歩一歩踏みしめるたびに、この世の終わりのような痛みで心が折れそうになりました。ですので、革靴やパンプスで歩いて帰ることはおすすめしません。

靴下は、登山用の厚手のものを2足準備しておくといいでしょう。1足目は出発時に履き替え、2足目は休憩時に履き替えてください。足の裏はよく発汗するので、汗で湿った靴下を履いていると、靴擦れの原因になるからです。

また、靴擦れになってしまったときのことも想定して、絆創膏なども準備しておくといいでしょう。