「どうして自分がリストラされるのか」……気づかない間に会社から必要とされなくなってしまう人は多い。その原因の一つは、会社が必要とする人材は常に変化しているということだ。
自分が優秀だから人に任せられない
そもそも会社組織は一定以上のパフォーマンスを求められるが、パフォーマンスを高めるには不断のメンテナンス(組織の活性化、人材育成)が必要だ。メンテナンスを実行することで高いパフォーマンスが実現するのである。
わかりやすくいうと、まずは「うちの部署は元気だなあ。大将も一生懸命頑張っているじゃないか。自分たちも頑張らないと」という雰囲気を醸成する。それによって、おのおのが1・2倍の力を発揮する。すると5人で6人分の成果を挙げることができる。そこに目を向けるべきなのである。
ところが近年の成果主義は、短期的なパフォーマンスを追求するあまり、メンテナンスを軽視してしまうという傾向が見られた。そこに落とし穴があったというべきだろう。
その意味で、種族3:メンテナンスのできない人、後進を育てられない人は、いくら優秀でも組織のリーダーとしては不適格といえる。
プレーヤーとしては何人分もの働きを見せるスーパーマンのような人がいる。こういう人は周囲から見て、いかにも「できるビジネスマン」であり、管理職としても伸びていくのは当然のように思われている。
部下を持たされても、本人が優秀なため、2年くらいはまだ成果を挙げられる。しかし、異動したあとは「なんだ、誰も育っていないじゃないか」といわれるように、部署がペンペン草も生えない状態となっていることがたいへん多い。要するに、部下を育てることが下手な「焼き畑上司」なのである。