人生は賞賛が50%、逆風が50%?
そんなある日のこと。心理学博士の小林正観さんの講演に行き、そこで聞いた話が僕の人生を変えたんです。正観さんはこんな話をされていました。
「人間は、けなされてばかりだと枯れてしまいますが、褒められてばかりでも天狗になってしまいます。理想的なのは50%-50%の時。そして実は、どんな人でも、自分への賞賛が50%、逆風が50%になっている」
光があれば、闇がある。右があれば、左がある。男がいれば、女がいる。こんなふうに、宇宙は「陰」と「陽」が50%-50%で均衡して成り立っているから、というわけです。
しかし、この話を聞いて、僕は最初「この先生は間違ってる」と思いました。というのは、僕はその頃、コピーライターとしての仕事が絶好調で、褒められることが多く、逆風が50%もあるとはとても思えなかったからです。
すると、正観さんはこう続けました。
「この話をすると、『それは間違っています』と言う人が、かならずいます。そういう人は、逃げられないところに痛烈にあなたを批判してくれる人がいるはずです。
たとえば……奥様とか!」
……!!! この瞬間、天地がひっくりかえりました。
たった1人の批判者が逆風を吹かせてくれている
50%-50%。これは人数のことじゃなくて、総量だそうです。たとえば「自分を賞賛してくれる人」が10人いて、「批判者」が1人とすると、このたった1人が、ものすごい逆風を吹かせてくれるんだとか。そして、その1人はたいてい自分が避けて通れない場所に存在しているのだとか。
そう、家庭とか職場です!
え? ひょっとして、僕が仕事で褒められることが多いのは、妻が強力に逆風を吹かせてくれていたおかげ? それが事実かどうかはさておき、そう思ったら、価値観の違う妻を受け入れることができるようになったのです。
妻は、僕が成長するように、たった1人、「逆風担当」として、孤軍奮闘してくれていたのかって。仕事がこんなにも順調なのは、妻のおかげだったんだと思ったら、「妻よ、いつも僕をけなしてくれてありがとう」と思わず抱きしめそうになったほどです(笑)。
心は「喜び」を求めます。でも魂はそれだけじゃない。魂は「成長」を求めています。だから、魂は逆風ウェルカムなんです。