高橋 元気か、元気じゃないかとか。

竹中 能力が落ちた分、よく勉強しているか、していないかでその差が出る。そこは組織のトップになった人ならば自分で判断しなきゃダメです。政治家も同じで、「出処進退は自分で決める」って小泉さんが言ってたでしょ。私も同感で、これまでたくさんの老害を見てきたから、早めに判断したいとずっと考えていました。

「政治の世界は老害が多い」

高橋 参議院議員も任期の途中でお辞めになりましたよね。あのときはどうして2年で辞められたんですか?

竹中 政治の世界というのはやはり怖いと思うんです、権力があるから。それともう一つはたくさん貸し借りがある。政治の世界に長くいると、貸し借りに縛られてしまうと思ったんです。

もともと私は、職業政治家になりたいと思ってなったわけではありません。小泉さんという非常に異色の総理に「一緒に手伝ってくれ」と言われたので、サッカーのレンタル選手みたいな立場で政治の世界に行きました。だから、一つの目的が終わったら元の学者に戻るというだけのことです。

高橋 でもその決断はなかなか難しいですよね? まだやれると思ってしまうから。

竹中 だから老害が多いんだと思います。私は、若い人も育ってきているし、自分で老害は避けたいと思ってましたから、ハッピーなタイミングだったと思いますよ。

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