最近、住まいとして人気を集める「タワーマンション」は、地震などの災害に耐えられるのだろうか。このほど『関東大震災がつくった東京』(中央公論新社)を上梓した、名古屋大学減災連携研究センターの武村雅之特任教授は「倒壊することはないだろうが、特に湾岸部では孤立化の恐れがある。たとえば関東大震災では、東京・月島が3年2カ月にわたって孤立化した」という――。(聞き手・構成=ノンフィクションライター・山川徹)(第3回)
浅草松屋屋上から見た地下鉄ビル、雷門跡、仲見世などの焼跡。(写真=日本写真公社・深尾晃三/PD-Japan-oldphoto/Wikimedia Commons)
浅草松屋屋上から見た地下鉄ビル、雷門跡、仲見世などの焼跡。(写真=日本写真公社・深尾晃三/PD-Japan-oldphoto/Wikimedia Commons

空襲は「千載一遇のチャンス」だった

――関東大震災後に行われた「帝都復興事業」により、東京は耐震、耐火で品格のある都市に生まれ変わりました。にもかかわらず、100年後の現在、なぜ、東京は首都直下地震におびえなければならないのでしょうか。

それは戦後復興に失敗したからです。