持ち家を買っても損はしにくい時期

でも、超低金利の現在はそのリスクがかなり低い。現在の住宅ローン金利は0.4%程度でかなり低くなっている。この程度の金利だと、年間の元本返済額は借入総額の2.7%ほどになる。半数以上の人が物件価格と同額を住宅ローンで借りているので、この2.7%よりも物件の年間下落率が低ければ安心だ。首都圏の平均下落率は2.0%、都区部の平均は1.2%なので、都心から離れなければ含み損が出にくい状況にはある。ちなみに横浜市2.2%、さいたま市2.3%なのでOKだが、千葉市は2.8%でNGエリアになる。

そして、今は「買い時」である。なぜなら、2023年4月に日銀の総裁が代わったが、金融緩和を当面継続することを表明している。金融緩和されているうちは資金が担保の取れる不動産に流れやすくなるので、借入しやすい分だけ資産はインフレすることになる。これは金融緩和されている際には必ず起こっている現象である。

日銀が言う金融緩和の検証作業は2年程度かかる見込みで、そうなると今から2年後まで金融緩和が続く可能性が高い。その時点でデベロッパーが買ったマンション用地はそのさらに2年後に、新築として売り出されることになる。つまり4年先まで2割程度値上がり期待がある状況なので、持ち家を買っても損はしにくい時期にあるのだ。

日本銀行本店
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千葉県流山市の新築マンション価格が上がっている

そんな中、ファミリー世帯の流入によって新築マンション価格が値上がりしているエリアがある。それは千葉県流山市で、人気が高いのが「送迎保育ステーション」だ。流山おおたかの森駅と南流山駅に設置された送迎保育ステーションは、朝に預けると保育園まで送ってくれ、夕方は再び送迎ステーションまで返してくれる。親は毎日駅での行き帰りに子どもを預け、引き取ることが通勤の一環でスムーズに行うことができる。一回100円で利用可能で、利用にあたり審査と面談があるが、お迎えのストレスが軽減し、時短になることからこのサービスに対する評価は非常に高い。

また、保育園の数を15年で5倍に増やし、2021年に待機児童ゼロを達成している。最寄り駅などのアクセスを無視した、保育園定員の総数ベースでの待機児童ゼロは主張する行政が多いが、これは机上の空論でしかない。筆者が主宰する住まいサーフィンという会員制サイトでは、駅別に0歳児人口と認可保育園定員を比較して入りにくい駅をランキングしているが、こうした実質的にゼロなエリアは非常に少ない。流山市は親世代が引っ越しをする際の安心感に結びついていると考えられ、6年連続で人口増加率1位だったりしている。