じわじわ上がる旅行費用をどう準備するか
コロナ禍も落ち着いてきて、旅行に出かける人が増えました。今年のゴールデンウイークはおよそ30万人が海外に出たと言いますから昨年の7倍ぐらいになります。国内に目を向けると移動した人の数はさらに多くJR各社によればゴールデンウイークの期間の新幹線や在来線特急などの利用者は1100万人といいます。ほぼコロナ前の日常に戻りつつあると言っても良いでしょう。
一方で交通費はともかく宿泊費はかなり価格が上がってきています。私も仕事柄、年中地方出張していますが、もはやビジネスホテルでも1万円以下で泊まれるところはまれになってきました。人件費と物価の上昇は確実にこういうところに表れています。そんな旅行をするにあたって、その費用を計画的に準備する方法として「旅行積立」があります。これは場合によっては有利に使えることもありますので、考えてみたいと思います。
旅行積立の利回りは高い
そもそも「旅行積立」とはどういうものかというと、名前の示す通り、旅行資金を積み立てる制度です。旅行会社や航空会社が扱っていて、積立でお金を払い込むと(一時払いもありますが)満期になった時に「サービス額」という、言わば利息のようなものを上乗せして旅行券として渡すというのがその仕組みです。百貨店の「友の会」の積み立てと似たようなものと考えれば良いでしょう。
実はこのサービス額を利息として考えると、これは案外高い利回りになります。例えばある旅行会社の場合、2年間積み立てると3%のサービス額が上乗せされます。例えば毎月3万円ずつ2年間積み立てると累計額は72万円です。これに3%が付きますから2万1600円が上乗せされて合計金額は74万1600円となります。
2年間で3%付くのなら年利に直すと1.5%かと思いがちですが、実はそうではないのです。これは積立てた場合の利回り計算なので、ちょっと複雑ですがIRR(内部収益率)という考え方で計算する必要があります。細かい計算方法は説明しませんが、上記の条件で積み立てた場合、その利回りは年利2.87%となります。
これはかなり高い利回りと考えて良いでしょう。銀行の定期預金ではメガバンクの場合0.002%でさらにこの利息には税金がかかりますが、旅行積立は預金ではないため、サービス額に税金はかかりません。したがって、実際に旅行をするために積み立てるのであれば、預金で積み立てるよりも「旅行積立」を使った方が良いでしょう。