人事・組織

「人事・組織」に関する多くの本の欠点は、人間を十把一絡げにしている点にあります。「こうすればうまくいく」と書いている内容を真に受けて実行してみても、まずうまくいきません。人を動かすためには、人間はそれぞれ異なる価値観を持った存在であるという人間観をベースに、個別に対応していくことが大原則。そのために役に立つのが人間を9つのタイプに分け、どんなときに力を発揮するかを書いた『9つの性格』です。

やはり松下幸之助さんも人を理解することの重要性を常々おっしゃっていました。『リーダーになる人に知っておいてほしいこと』を読むと、その一端に触れることができます。実践的な内容を求めるなら、荒れた公立中学校の陸上部を日本有数の存在に育成した原田隆史氏の『カリスマ体育教師の常勝教育』が面白いでしょう。どうやって普通の子供をトップアスリートに育て上げたのか。それは人を動かすことに通じます。

『9つの性格』
鈴木秀子著、PHP文庫、2004
エニアグラムについて解説している本。人を9つのタイプに分類しているが、仕事上でも非常に役立つ。


『リーダーになる人に知っておいてほしいこと』
松下幸之助述、松下政経塾編、PHP研究所、2009
著者は人間観を非常に重視した経営者であった。松下政経塾での講演から、あるべきリーダーの姿がわかる。


『カリスマ体育教師の常勝教育』
原田隆史著、日経BP社、2003
荒れきった中学校からなぜ常勝陸上部が立ち上がったのか。目標設定と心の教育を重視した指導法を解説。


『坂の上の雲』
司馬遼太郎著、文春文庫、新装版、1999
日本海海戦で艦橋に立った東郷平八郎の姿からリーダーとしての気概を学びたい。