「情報I」=「プログラミングを学ぶ科目」ではない

小学校から「プログラミング教育」が行われていることはご存じでしょうか。「プログラミング教育」とは、コンピュータが情報を処理するためのプログラムを設計し、論理的な思考力・創造力を身につけることを目的とした教育で、2020年度から小学校、2021年度から中学校、2022年度から高等学校で必修化されています。

このような教育が行われていることもあり、「情報I=プログラミングを学ぶ科目」と認識している人は少なくありません。この認識は間違いではないですが、正解ではありません。

「情報I」は、大きく分けて次の4単元から構成されています。

(1)現代の社会について学ぶ【情報社会】
(2)情報の伝え方の工夫を学ぶ【情報デザイン】
(3)コンピュータ単体について学ぶ【プログラミング】
(4)コンピュータどうしのつながりを学ぶ【ネットワーク】

このように、「情報I」で学習する内容は多岐に渡ります。

繰り返しになりますが、大学受験生がこれらの内容を徹底的に勉強する時代がすぐそこまで来ています。これらの内容が常識となる時代になるのです。

次からはこれらの単元で扱う重要語句をいくつか紹介します。我々が日常的に活用しているものばかりですが、その意味や周辺知識をどの程度理解できているでしょうか。

「著作権」と「著作隣接権」は何が違うのか学ぶのも学習範囲

我々の身の回りには誰かが発明した発明品や、誰かが創造した芸術作品で溢れていて、これらは我々の日々の生活に快適さや豊かさを与えています。

このような知的創造活動によって生み出されたアイデアや創造物などを「知的財産」といい、これらの知的財産を保護するために「知的財産権」という権利が知的財産を生みだした人に与えられます。

この知的財産権は大きく「産業財産権」と「著作権」、「その他」の3種類に分けられます。

さらに、産業財産権や著作権は次のように細かく分類されます。

「特許権」や「商標権」は見聞きしたことがある方も多いでしょう。

社会活動や個人の活動において、誰かが何かを生むことは珍しくなく、また既にあるものを活用することも多いです。知的財産を保護するための権利を正しく理解することは、情報化社会を生きる現代人に必要なことではないでしょうか。