韓国・ソウルから「女性専用」が消えていく…

韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領の反フェミニズム政策に、海外メディアの注目が集まっている。

昨年5月に発足したユン政権は、すでに小・中学校、高校などの教育カリキュラムから「男女平等」の言葉を削除(AFPBB News)。さらに、ユン氏が大統領選の公約に掲げたとおり、「女性家族省」の廃止に向けて動き出している。

さらに首都・ソウルでは、女性への冷遇を象徴するかのように、女性専用駐車スペースの閉鎖が決まった。その数は市内で数千区画に上る。このニュースに米ワシントン・ポスト紙やBBCなどの海外の主要メディアも反応を示した。

韓国・ソウルの西大門オフィス街にある女性専用駐車スペース=2014年5月22日
写真=EPA/時事通信フォト
韓国・ソウルの西大門オフィス街にある女性専用駐車スペース=2014年5月22日

2009年に導入されて以来、女性専用駐車スペースは、駐車場内の比較的明るい場所に設けられ、性被害や暴力事件に怯える女性たちに安全性を提供してきた。市当局は家族用スペースに転用すると説明しているが、今後は女性が単身でこの区画を利用することは許されなくなる。

韓国で声高に叫ばれるフェミニズムは、女性の特別扱いを求めるものではなく、あくまで男性と平等の人権や安全性を訴える内容だ。だがユン大統領は、大統領選挙でこうした運動を逆手に取り、反フェミニズム政策を公約に掲げて男性、特に若い男性からの支持拡大を狙ってきた。

ユン大統領は、男性がむしろ性差別の被害者であるとの論理を展開し、若い男性たちの間でくすぶる経済不安、批判の矛先を、女性たちに向かうように躍起になっているようにも見える。

ドイツではじまった「女性専用駐車スペース」

女性専用駐車スペースは韓国独特のものではない。1990年代にドイツで誕生したアイデアだ。米ワシントン・ポスト紙は2015年、ドイツの一部地域では全駐車区画数の30%以上を女性専用とすることが法律で義務づけられていると報じている。

目的は、暗く人通りも少ない夜間の駐車場における、女性をターゲットとした性犯罪や暴行事件の未然防止だ。スペースは一般に、比較的入り口に近くて明るく、安全に避難できるスペースが割り当てられることが多い。