会議やミーティングなどで一目置かれる発言をするにはどうすればいいか。ワンキャリア取締役の北野唯我さんは「思考を深めなければ、印象的な言葉は生まれない。そのためには『論理的思考』『そもそも論』『アナロジーシンキング』という3つの思考法をジャンケンのように使い分けるといい」という――。
※本稿は、北野唯我『これから市場価値が上がる人』(ポプラ新書)の一部を再編集したものです。
「成功」はできなくても「成長」はできる
私は普段からよく「毎回ほんの1%でいいので、新しいチャレンジや変化を作る」ということを大事にしています。この話は、若手の社員や新しいプロジェクトを進めるメンバーに対して伝えることが多いのですが、「1%」というのはもちろん比喩です。たった1%でもかまわないので、新たな挑戦をしてほしいと思っています。
どうしてこういう言葉を掛けるのかというと、「約束できることを明確にする」ためです。当然の話ですが、「成功」は約束されているわけではありません。どれだけ努力して頑張っても、成果につながらず成功しないケースは多々あります。でも、「成長」は違います。成長は約束できる要素なので、冒頭の言葉をよく使っているのです。具体的にイメージしてもらうために営業活動で考えてみましょう。
何も変化を加えず、常に同じ方法で営業活動を続けていたとしても、それは単なる繰り返し。まったく成長しない可能性があります。でも、「今回は仮説Aに基づいて新しい方法でやってみよう」と、前回と少し違う方法にチャレンジしてみたらどうでしょう?
もしもうまくいけば、もちろんOKですし、うまくいかなかったとしても「こうやるとダメなのか」という結果が得られます。つまり、確実にデータは溜まるわけです。ただし、データを比較する際にはやっかいな部分もあります。一気にいろいろと変えたくなりますが、実はすべての「変数」を変えないことが重要なのです。