古典はどう読めばいいのか。立命館アジア太平洋大学学長の出口治明さんは、「ダーウィンの進化論を理解していれば、いいものが売れるのではなく、売れたものがいいものだとわかる。ビジネスの世界で生き延びるためには、目の前で起きている変化に『適応』するほかない」という――。

※本稿は、出口治明『ぼくは古典を読み続ける 珠玉の5冊を堪能する』(光文社)の一部を再編集したものです。

チャールズ・ダーウィン『種の起源』のアンティークコピー
写真=iStock.com/duncan1890
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変化に適応できるものだけが生き残る

ダーウィン(1809〜1882年)が『種の起源』を発表したのは、160年以上前の1859年です。ダーウィンは、ものすごく丁寧に動植物の観察を積み重ねて、生物は共通の祖先から分岐して自然淘汰とうたによって進化したという結論にたどり着きました。