富士ゼロックスは、誰もが個人プレーのクラフトを持った超個性派集団から始まり、TQCのサイエンス的手法で組織の効率を高め、次いでニューワークウェイのアート的なマネジメントで社員の個性や創造性を活かそうとした。究極の判断力と決断力は、クラフトとサイエンスとアートを統合した力から生まれるとすれば、それはどのように示せばいいのか。

刺身状開発の研究以来、小林氏と親交を重ね、理論を磨きあげた野中教授は、クラフトとサイエンスとアートを包括した「フロネシス(賢慮)」という概念を提唱している。哲学者アリストテレスが唱えた知のあり方を、リーダーのあるべき姿としてとらえ直したものだ。