年収300万円世帯が
陥りやすい家計の病気

携帯依存症

症状:携帯電話が手放せず、ささいなことでも電話したりメールしてしまう。新機種が出るたびに欲しくなる禁断症状も出る。

原因:料金プランの見直しをしていない。物欲が我慢できない。

治療法:20代と30代に多い。携帯電話を通じてしか他者とのつながりが維持できず、携帯電話のない生活は考えられないという人がかかる傾向がある。所得の多寡はあまり関係ないが、低収入世帯ほど家計的には深刻な問題となる。携帯電話を手放すことが一番の治療法だが、強い禁断症状が出やすいので、まずは定期的に料金プランを最適化したり、固定電話が使えるなら優先的に使うなどしてコストを下げる努力が必要だ。メールの活用も有効だが、メールのやり取りに時間を取られすぎないように注意。

高エンゲル係数症

症状:家計の消費支出に占める食費の割合が高くなると発症しやすい。食費は生活に必ず必要な費用で一定以上は下げにくいことから、一般的に所得が低い層ほどかかりやすい病気と言える。

原因:外食が多い。献立を決める能力が低い。

治療法:外食を減らして自炊することが最良の治療法。事前に献立を決めずに、その日に店で安く売られている食材から献立を考えよう。それには経験と知識と技術が必要になるため、すぐにはうまくいかないだろうが、食材を無駄なく活用して、おいしい料理ができたときには、大きな達成感を感じられる。外食が娯楽になっている場合は、公園などの公共施設を活用して、お金のかからない娯楽を探す。晴れた日に弁当持参で子どもと屋外で遊ぶことが、ファストフード店よりずっと楽しいと気がつけばしめたもの。

※すべて雑誌掲載当時

(山本信幸=構成 坂本道浩=撮影)