食費を削るために、できる限り安い食材を買って自炊すること。これには妻の協力が不可欠なのでじっくりと話し合おう。今回は外食が娯楽を兼ねていることを考慮して2万円減の4万円としたが、できれば3万円に抑えたいところ。まだ子どもが小さいのだから、娯楽を兼ねた食事は外食しなくてもできるはず。
通信費は料金プランの見直しや割引プランの利用、不要な有料番組の解除をして現状の2万2000円(1台1万1000円)を1万6000円(1台8000円)の必要最低限の出費に抑える。もし携帯電話端末を分割払いプランで購入しているのなら、支払いの途中で新機種に乗り換えずに払い切り、完済後も3年、4年と使いたい。
保険は学資保険と医療保障目的の共済はそのままにして、新たに夫の死亡保障3000万円の定期保険に入る。満期は60~65歳まで欲しい。毎月の保険料は1万4000円から1万9000円へ5000円増えるが、夫に万が一のことがあったとき妻子は共済と合わせて3400万円の保険金を受け取ることができるようになる。
子どもが生まれてすぐに加入した学資保険は元本割れが目に見えているので不要に思えるが、貯蓄ができない家庭であれば、次善の策として保険を使って強制的に教育資金を積み立てていくことも必要だ。
夫の小遣いはその他の費目に1万円計上している。この金額自体は妥当だが、実は落とし穴があった。Aさんはイベント好きで妻や友人の記念日にプレゼントを贈っている。それはいいのだが、小遣いから出費せずに被服費や食費など他の費目から出させていた。これでは家計がもたないので、今後は小遣いの範囲内に収めるようにしたい。
食費と通信費の見直しと“隠れ小遣い”の洗い出しで2万6000円浮くので、それを預貯金2万1000円、保険料5000円に振り分ければ当面の生活は安定するだろう。
ただし都市部で年収300万円の生活は厳しい。派遣社員のままでは将来の収入増も期待できない。夫は正社員になる努力を続け、妻は子どもを保育園に預けて働くべき。
できることなら実家に戻って親と同居するのが一番いい。住居費や食費などの負担が減り、子どもの面倒も見てもらえるために共働きができる。今世の中が核家族から大家族に転換しつつある背景には、子ども世帯が自分たちの収入では暮らせないため実家に身を寄せるケースが増えたという厳しい現実があるのだ。