個別株と指数の値動きの違いを理解しよう

一つ例をご紹介しましょう。

図表1で横ばいに見えるのがS&P500です。一方、前半は好調でしたが、その後急激に下落しているのは、世界最大のネット動画サービス提供企業であるネットフリックス(NFLX)です。

S&P500指数とネットフリックス株の値動きの違い
出所=Yahoo! Finance

ネットフリックスは、新型コロナウイルス感染拡大による巣ごもり需要を吸収し、それを好感した投資家のお金が集まって株価が急上昇しました。しかし、ワクチン接種が世界的に進み、人々が外に出て行動するようになったころに需要が減り、それに伴って株価が急激に下落しました。ならば、株価が高いときに売ればいいじゃないと思うかもしれませんが、それはプロでも難しいです。

一方、S&P500はマイルドな動きをしていますね。これが500銘柄に分散された効果です。500銘柄あれば、アップルやマイクロソフト、アルファベット(グーグル)といった、最先端のIT企業だけではなく、景気が低迷していても需要がそれほど変わらないヘルスケア企業や、世界的に需要が増加している軍事関連企業があり、それらの企業の株価がS&P500を下支えしてくれます。

投資を始めて日が浅いうちは、少数の個別株投資より、株価指数の銘柄分散効果を享受した方が精神衛生上いいと思います。投資で一番大事なのは、コツコツ続けることです。投資を始めたてのうちは、上昇もマイルドながら、下落も相対的にマイルドな方が続けやすいと思います。

まずは、米国を代表する株価指数であるS&P500に連動するものか、米国の市場全体を対象とする商品から始めましょう。分散効果を自動的に得られるものでもありますし、実は、始めやすく続けやすいという特徴を持ちます。