「ワクチンを打つと5年で死ぬ」陰謀論にハマった県議の主張

新型コロナウイルス感染症騒動、いわゆるコロナ禍において陰謀論やニセ科学が蔓延まんえんしました。そんな中、幸福の科学、日本サンクチュアリ協会の関係者以外にも、陰謀論にハマっていった人たちがいます。

たとえば、議員歴30年のベテラン福井県会議員である斉藤新緑しんりょく氏(自民)が自身の議会報告書に、新型コロナウイルス感染症やそのワクチンなどについて陰謀論的なことを述べて多くの支持者に配布したことが話題になりました。

斉藤氏は、

「新型コロナウイルスは特定されておらず、その存在さえも証明されていない」
「PCR検査でパパイヤ、ヤギ、ウズラの卵、自動車オイルをこすりつけた検体でも陽性になる。PCR検査はコロナ製造機」
「ワクチンは酸化グラフェンからできている殺人兵器」
「ワクチンにはマイクロチップが含まれている。5G電磁波で酸化グラフェンが活性化」
「打つと5年以内に死ぬ」

などと主張したのです。

いったい斉藤氏は、そんなことを誰がやっているというのでしょうか。

「PCR検査はコロナ製造機」という主張すらある
写真=iStock.com/itakayuki
「PCR検査はコロナ製造機」という主張すらある(※写真はイメージです)

陰謀論は不安な人にとっての「癒し」

陰謀論の多くが、背後に世界規模の邪悪な存在や政府組織などが暗躍していると主張しますが、斉藤氏もその例にもれません。

バイデンとトランプの戦いになった米国大統領選挙とあわせて「陰謀論」の背景を語ります。

・2020年12月8日、光(トランプ陣営)と闇(バイデン陣営)の地球規模の最後の聖戦。光の勢力が闇の支配者(ディープ・ステート)に勝利したが、主要メディアは「大統領はバイデンに決定」としか報道せず、人々を洗脳し闇の支配は続いている
・コロナ禍は、闇の支配者によって、人口削減と人の支配のために意図的につくられた「偽装パンデミック」がその実態である

まさに「Qアノン」の主張と同様です。

一方、陰謀論は、人によっては「癒し」になっているようです。

不安が強まる社会の中で、「闇の支配者が進めている世界人口の削減、最後の世界聖戦などの秘密を自分だけが知っている」という感覚は、プライドを高め、自己高揚感をもたらすのでしょう。