カフェインは「疲労を感じにくくさせる」だけ

同じエナジードリンクを見ると、カフェインが約140mg入っていました。マグカップ1杯分のコーヒーより少し多いくらいです。

そもそもカフェインは交感神経を刺激して覚醒させる作用がありますが、疲労回復にはききません。

カフェインは、脳が疲労すると生成される「アデノシン」という物質と、構造式が非常に似ています。アデノシンは、アデノシン受容体に結合すると、覚醒作用のあるヒスタミンの放出を抑制するので、眠くなります。アデノシンが鍵だとすると、アデノシン受容体は鍵穴の関係です。

ところが、カフェインが先にこのアデノシン受容体という鍵穴に結合することで、アデノシンの結合を邪魔してしまいます。このため、ヒスタミンの放出が抑制されず、眠気を感じにくくなるのです。

カフェインを摂取すると、ちょっとスッキリしたと感じるのは、このためです。しかし、あくまでも眠気を感じにくくなるだけで、疲労が回復されたわけではありません。つまり、本当は疲労がたまって、アデノシンが増えているにもかかわらず、カフェインのせいで、そこに気づけないということです。

エナジードリンクは、含まれる糖分やカフェインの作用を考えると、「ここぞ」という時に使うのはよいのですが、毎日漫然と何となく飲むものではないといえます。特徴を知って、上手に使ってほしいと思います。

休日の寝だめは体内時計を狂わせる

産業医をしていると、「平日は忙しいので、休日に寝だめをしている」というビジネスパーソンにもよく出会います。でも、実はこれも、やめた方がいい行動です。休日に寝だめをすると、リフレッシュするどころか、余計にストレスがたまります。

そもそも人間の体は、寝だめができるようにはできていません。睡眠には「借金」はできても、「貯金」はできないのです。

休日に「寝だめ」をしようとたくさん寝てしまうとどうなるか。昼まで寝てしまうと、体内時計のリズムが乱れてしまい、夜になっても自然な睡魔が訪れません。さらに、次の出勤時に、体が時差ボケのようになってしまい、結局朝から疲れや倦怠けんたい感を感じたままになってしまうのです。

疲れを残さないためには、平日と休日の睡眠時間のズレは2時間までにとどめましょう。例えば平日朝6時に起きる人は、休日は朝8時までなら寝てもOKです。10時まででは寝すぎです。

どうしても眠気が取れない場合は、昼寝をしましょう。朝寝はプラス2時間までにとどめ、昼寝で普段の睡眠不足の負債を返済します。ただし、昼寝もしすぎると夜の睡眠に影響するので、昼寝をするなら午後3時までにして、30分以内に抑えましょう。

やはり、大切なのは平日の過ごし方です。平日にきちんと自分にとって必要な睡眠をとって、借金を抱えないことが重要です。

寝ぼけまなこでスマホを確認する男性
写真=iStock.com/Kayoko Hayashi
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