問題山積…体重の数値だけチェック、監督は男性ばかり

近年は女子ランナーを取り巻く環境は少しずつ変わり始めている。

しかし、取材をしていて感じることだが、指導者のなかにはウソをつく者がいる。たとえば「選手の自主性を大切にしています」と公言しながらも、その裏では選手たちを縛り付けているのだ。

体重チェックも同じ。「選手に任せています」と言いながら、厳しい体重制限を課しているチームはまだまだ少なくない印象だ。

ランニング後の心拍数とパフォーマンスを測定する
写真=iStock.com/Sitthiphong
※写真はイメージです

女性特有の悩みは男性の指導者には相談しにくい。しかし、女性の監督が非常に少ないのも問題になるだろう。昨年12月の全日本実業団女子駅伝に出場した全28チーム中、女性の監督は4人のみ。高校や大学に目を移しても、強豪陸上部の指導者は非常に少ない。昨年の全国高校女子駅伝に出場した全47チーム中、女性の監督は6人だけだった。

かつては体重をギリギリまで落として、世界大会で活躍した女子ランナーがいた。しかし、心身ともにボロボロになり、若くして燃え尽きてしまった。

過度な体重制限で、「常に喉が渇いていて、お腹が空いている。人間らしい生活が送れなかった」と元選手は漏らしている。

令和の時代になっても体重の「数値」だけでチェックするのは時代錯誤も甚だしい。指導者が意識を変えるだけでなく、選手自身も正しい知識を身につけて、健康的に強くなっていく道を探ってほしい。

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