結局、4カ月で一度もお見合いは成立しなかった

「最初から、テンション下がること言うなあ。俺に婚活させたくないみたいに聞こえるなあ~」

とにかく、喫煙者の婚活は厳しい。お見合いを組める可能性があるとしたら、相手も喫煙者。喫煙者同士が、たまたまご縁があって良い関係になれれば問題はないのだが、男性は自分がたばこを吸っていても、お相手女性には非喫煙を望む人すらいる。「婚活するなら禁煙を」というのは、幸せな結婚を見つけてほしいと願うから。少しでも幅広い条件の中から、お相手探しをしてもらいたいからである。

彼のご両親は同居を望んでいるわけではなく、彼が「年老いていく両親を放っておきたくない」と言ってきかない。親孝行なのは良いことだが、彼が入会してから1カ月が過ぎ、2カ月が過ぎようとしても、申し込みはただの一件も来ない。彼に、なぜ自分から申し込まないのかと聞くと、断られて傷つきたくないからだという。

ベンチに座っている落ち込んだアジアの実業家
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会社社長として生きる彼のプライドは、とにかく高い。全く傷つくことなく、心折れることなく、完璧な結婚相手に巡り合える会員は、本当に少ない。一生を共にする相手を、そう簡単に手に入れられるはずもない。これでは婚活にならない。彼が結婚相談所に登録してから、4カ月が過ぎようとしているが、未だ一度もお見合いは成立していない。

「なんとか30歳までに結婚したいんです」と語るアラサー女性

「あの~、お見合いの時間は、日曜日の14時がいいんですよね。そのあとに友人とご飯を食べに行くので、渋谷だとありがたいです」

美容院やエステの予約のように、カウンセラーに連絡を入れてくる。お見合いは、相手があって成立するもの。時間も場所も、こちら指定なんてありえない。双方が合意の場所で行うもの。29歳、専門学校卒、派遣社員として、大手企業の受付をしている。これまでの人生で彼氏がいなかったことはなく、モテまくってきた。高校時代はミス○高と呼ばれたというのも、嘘ではないと思うついこの間まで、年収1000万円超えの彼氏と同棲していたが、彼氏の女癖の悪さと、金遣いの荒さに辟易とし、同棲を解消して実家に舞い戻った。

派遣先の職場にいる独身男性で、彼女が素敵だと思う男性はすでに結婚が決まっていて、このままではまずいと、30歳を目前に婚活サロンに駆け込んできた。

「大屋さん、なんとか30歳までに結婚したいんです。○○さんは、大屋さんのお世話で半年で結婚が決まったそうですね。私もよろしくお願いします」

彼女の次の誕生日までは、あと4カ月。期限付きで、成婚ゴールできる保証などどこにもないし、いくら美人で20代でも、容易にはいかないのが婚活。それに、彼女の希望条件は、決して簡単ではない。